トップへ戻る

酸・アルカリの化学

 化学の知識を使いこなすと、生活に役立つ様々な物質を化学反応によって合成することができます。化学反応には多くの種類がありますが、酸・アルカリが関係する反応を理解することは特に重要です。ここでは、数多くの化学反応に応用できる「中和反応」について考えます。

 

◆酸・アルカリとは

 酸・アルカリにもいくつかの定義がありますが、最もシンプルな定義は、「水素イオンを放出するものが酸」、「水酸化物イオンを放出するものがアルカリ」というものです。例えば、塩酸は塩化物イオンと水素イオンを放出するために酸性の物質で、水酸化ナトリウムは水酸化物イオンを放出するためアルカリ性の物質です。なお、「アルカリ」という用語は馴染みの深い言葉ですが、液体についてしか使えない用語のため、物質の状態を問わず水酸化物イオンを放出する性質を表現できる「塩基」という用語を使用すると便利です。

 

◆中和反応

 さて、酸・アルカリ(塩基)は、それぞれ水素イオン・水酸化物イオンを放出しますが、水素イオンと水酸化物イオンは、お互いに結びついて「水」となります。このとき、水素イオン・水酸化物イオンを放出した残りのイオンも、お互いに結びついて「塩(えん)」となりますが、塩が水にどの程度溶けるかは、イオンの組み合わせに応じて異なります。塩化ナトリウムと水酸化ナトリウムが中和して生じる塩(えん)は塩化ナトリウムで、これは特に「食塩」や「塩(しお)」と呼ばれて、調味料として親しまれています。

 

◆塩の反応

 また、酸の強さ、つまり、水素イオンの放出しやすさは酸の種類によって異なります。硫酸、塩酸、硝酸などは代表的な「強酸」ですが、酢酸、炭酸などはあまり強くない「弱酸」です。 強酸は、他の物質に水素イオンを強く押しつけるので、たとえば、酢酸ナトリウムのような弱酸の塩と反応させると、酢酸イオンに水素イオンを押しつけて、酢酸が生成します。このように、相対的に強い酸を相対的に弱い酸の塩と反応させると、弱い酸が手に入ります。酸は自然界では塩として存在していることが多いため、弱酸の塩に強酸を加えて弱酸を得る化学反応は、酸同士を変換する便利な手段ですね。